2020年6月9日火曜日

ゴーン逃亡幇助容疑者7人の7月3日開廷を控えるトルコ検察捜査進展の様子~


https://www.jiji.com/jc/v4?id=20200605world0001
2020.6.5・全文

「日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告が昨年末にプライベートジェット(PJ)でトルコ・イスタンブールを経由して中東レバノンに逃亡した事件で、日本からベイルートの移動に協力したトルコのPJ運航会社元幹部のオカン・キョセメン被告ら7人が5月7日、ゴーン被告を密航させた罪などでトルコ検察に起訴された。7月3日に初公判が行われる予定だが、これまでの検察の取り調べから、ゴーン被告側からキョセメン被告に支払われたとみられる多額の現金や、密航を取り仕切ったとされるレバノン人実業家の存在など、密航をめぐるさまざまな新情報が明らかになった。起訴状など公判関連文書の内容を元に、以下詳報する。(時事通信社イスタンブール特派員 吉岡良)


検察の見立てによると、2019年12月29日から30日にかけての逃亡事件を手引きしたのは、レバノン国籍を持つ実業家のニコラス・メザロス容疑者。PJを貸し出すビジネスを手掛けており、元米軍特殊部隊員のマイケル・テイラーと、職業不詳のジョージ・ザイエク両容疑者(いずれも米国人。逃亡を手助けした容疑で東京地検が逮捕状、テイラー容疑者は米当局が逮捕)に対してゴーン被告をレバノンに逃亡させるよう手配した。メザロス容疑者は一方で、逃亡の際に使うPJを借りるため、トルコのMNGジェット航空会社の営業部長だったキョセメン被告と契約を交わした。

キョセメン被告は契約を受けてPJを用意した。このPJは12月26日、イスタンブールのアタチュルク空港からマダガスカルの首都アンタナナリボに向かった。同国の要人を乗せ、28日にドバイに移動した。テイラー、ザイエク両容疑者はドバイに入っており、この日、身の回りの荷物や音響機器用の大小2つの箱と共にこのPJに乗り込んだ。箱のサイズは、大きい方が3辺の長さが56x70x122センチで、小さい方は56x54x99センチ。大きい方は後でゴーン被告が身を隠すのに使われ、小さい方にはあらかじめスピーカーが入っていた。大きい箱にはゴーンの呼吸を容易にするため、下部に70個の「呼吸口」が開けられていた。内部は緩衝材で覆われ、身長170センチ(ゴーン被告)なら容易に入ることができるサイズだった。

PJは29日朝、関西空港に到着し、同日午後11時ごろ、関空からイスタンブールへ出発。その際、搭乗者名簿には両容疑者の名前しか記載されていなかったが、実際には箱に潜んで関空での出国審査をすり抜けたゴーン被告も乗っていた。キョセメン被告は、あらかじめアタチュルク空港で待機。PJが30日午前5時20分ごろに到着すると、ほかの空港スタッフらに気付かれないようゴーン被告を別のPJに乗り換えさせ、同機は30分後の午前5時50分ごろ離陸。テイラー、ザイエク両容疑者はアタチュルク空港でトルコに入国し、代わりにキョセメン被告がアテンドしてゴーン被告と共にレバノンに向かった。このPJは午前7時15分ごろベイルートの空港に着陸し、ゴーン被告を同地で降ろして日本からの逃亡を実現させ、キョセメン被告はそのままこのPJで1時間後の午前8時15分ごろベイルートを出発、同10時ごろ、アタチュルク空港に戻った。一方、テイラー、ザイエク両容疑者は午前10時ごろ、キョセメン被告が戻るのと入れ替わるようにアタチュルク空港とは別のイスタンブール空港で出国審査を受け、トルコを離れた。


事件ではキョセメン被告のほか、PJ2機の操縦士4人と客室乗務員2人が起訴された。検察の見立てでは、メザロス容疑者の指示を受けたキョセメン被告が、ほかの6人の協力を得て逃亡を手助けした。ただ、キョセメン被告は取り調べの中で「メザロス容疑者に脅された」と主張し、「私の罪ではなく、むしろ私も被害者だ」と訴えている。

キョセメン被告は逃亡事件をめぐり、検察当局に対して以下のように供述したという。

メザロス容疑者と3、4年前から知り合いだった。メザロス容疑者はベイルートを拠点にPJなどを貸し出す仕事をしていて、例えば同容疑者が顧客に貸し出すPJを十分な数だけ用意できなかった場合、顧客をMNGジェットに回すことなどがあった。

そんな関係を背景に今回、メザロス容疑者からの手配を請け負った。メザロス容疑者からは「テイラー、ザイエク両氏がドバイ―大阪―イスタンブールのフライトを使う」と説明された。17万5000ドル(今のレートで1889万円/ガメチン調べ)で契約し、メザロスはこの代金をMNGジェットの口座に振り込んだ。

PJは19年12月29日午後11時ごろに関西空港から出発したが、それから約1時間後、メザロス容疑者からスマホのアプリを通じた電話がかかってきた。「航空機にインターネットの接続がなく、乗客と連絡ができない」という話だったが、しばらくすると接続が確立できたようだったので、その旨をメザロス容疑者に伝えた。

その後、改めてメザロス容疑者と電話で話したところ、彼は歓喜の声を上げた。意味が分からず「どうしたのか」と聞くと、「秘密のオペレーションを展開している。この案件は非常に重要だ」と言われ、ゴーン被告が機内に積み込まれた箱の1つの中にいることを知らされた。

メザロス容疑者はこの電話で、ゴーン被告が自宅軟禁に置かれているものの、有効なパスポートがあり、インターポールの指名手配を受けているわけでもないと説明。命の危険にさらされているため、日本から出国させたと主張したという。

私(キョセメン被告)はこれを聞いて憤り、契約にはこのような逃亡事件への言及がなかったと訴えた。すると、彼は米中央情報局(CIA)と秘密組織がこの事件に携わっていると言い、「問題は起きない」と述べた。それでも、私がこんな事件に関与したくないと彼に伝えると、メザロス容疑者は「(キョセメン被告の)家族や子供の情報がある」と言ってきた。さらに、イスタンブールに着いたらゴーン被告を別のPJに移動させ、共にベイルートに向かうよう指示された。この案件については口外しないよう言われ、脅迫された。

30日未明、家のセキュリティアラームが鳴った。セキュリティ要員と共に家の周辺の様子を確認したところ何もなかったが、妻子の命が危険にさらされていると考え、一緒にアタチュルク空港に行った。

関西空港からのフライトがアタチュルク空港に到着し、私がPJ機内に入ると、米国人の乗客2人に英語で声を掛けられた。機内の後方に導かれ、ベイルートに向かうよう言われた。米国人の1人がトイレのドアを開けると、中にゴーン被告がいて、彼は「荷物はこれだ」と言った。米国人2人は「飛行機がベイルートに着くまでここ(イスタンブール)にいる。どこにも行かない」と述べ、私に遠回しに脅しを掛けた。彼らは空港の地上サービスの車でターミナルに向かった。

私は、ほかのスタッフらに気付かれないようゴーン被告を別のPJに移動させた。ベイルートに向かうフライト中でゴーン被告と5分だけ言葉を交わした。逃亡の件について何も説明はしておらず、私も聞かなかった。ただ「日本人はとても悪い」というようなことを言っていた。


キョセメン被告は「被害者」と言い張っているものの、検察が同被告の個人の銀行口座の出入金記録を調べると事件の5カ月前から11回以上にわたって日本円で計3300万円相当の不審な入金が行われていたことが確認された。19年10月16日から12月26日にかけて計21万6800ユーロ、19年7月30日から12月12日にかけて計6万6900ドルが口座に入金されていた。

キョセメン被告は出所についての質問に対し、入金が会社からの給料ではないことを認めた上で「(以前の)カラカスのフライトに対するボーナスだ。他のボーナスもあった。ボーナスは(自分の)会社から受け取らず、フライトの仲介会社が私に現金で渡していた。私はそこから自分の取り分を除き、残りを会社に渡していた」と説明。ただ「(入金が)ボーナスだったことを証明する書類などは示すことができない」と述べた。

一方、キョセメン被告のスマホには同被告が多額の報酬を受け取っていたことを示唆するメッセージも残されていた。

キョセメン被告は12月29日に、ワッツアップで(起訴されていない)知人に「ビジネスでベイルートに行く」と連絡。「ハニービジネス(簡単に大金を稼げる仕事)だよ」と絵文字を添えて、喜びの気持ちを表していた。翌30日にベイルートから戻った後、親族へのメッセージで「ベイルートに行って友達に会い、大きな利益を得た」と伝えた。検察はこうしたやり取りから、キョセメン被告がメザロス容疑者から利益供与を受けたと判断している。

さらに、キョセメン被告と共に起訴された客室乗務員の1人は12月30日、ワッツアップで知人に「キョセメン氏と秘密の乗客(ゴーン被告)を運んだ。ベイルートで誰か(メザロス容疑者とみられる人物)が航空機にきて、キョセメン氏に何かを渡した」という内容のメッセージを送っていた。


トルコ検察は捜査結果を踏まえ、キョセメン被告と操縦士4人についてゴーン被告を密航させた罪、客室乗務員2人はこれを知りながら通報しなかった罪で、それぞれ起訴した。

ただ、逃亡事件の主犯格であるメザロス、テイラー、ザイエクの3容疑者については身柄を確保できず、捜査を進めることができなかった。このため、起訴した7人と今後の司法手続きを分離することを決定。3人が国籍を有する米国やレバノンの当局に対し、適切な取り調べを行うよう求めている。

このうちテイラー容疑者をめぐっては5月20日、日本の要請を受けた米当局が逮捕した。今後身柄が日本に引き渡され、事件の捜査が進むことが期待される。

一方、現在もレバノンに滞在しているとみられるメザロス容疑者については、レバノン政府が逃亡実現前にゴーン被告の釈放を日本政府に求めてきた経緯から、レバノン当局が罪に問う可能性は低いとみられる。レバノンでゴーン被告に近い何者かがメザロス容疑者に日本からの逃亡を手助けするよう指示したとも考えられる」



テイラー親子が日本に送らた後、トルコ検察が必要というのであれば、日本はテイラー親子を送致すべきだ。

何ならゴーン容疑者接触のホリエモンをオマケにつけて。

ホリエモンは要らない?

送っても送り返されてくる?

そうなの? ( 一一)




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